マイスター大学堂:ブログ

長い夏休み

 九月になりましたが、皆様はお元気でお過ごしでしょうか。

 さて、本日は眼鏡とはまったく無関係な少々遅めな私の夏休みのお話です。

 

 どこを歩いても牛タン屋ばかりなので、牛はここを安心して歩けまい。生き牛の舌を抜く街「仙台」なのだ。しかし、私は牛タンファンではなく、どちらかと言えば、牛タン高いし、ちょっとだけやん。そんなん頼むんやったらホルモン系の方がええです、という牛タンスタート懐疑派なので、牛タン屋がそこかしこにある通りをみても「ふーん」という感じでありました。でもさすがに仙台まで来て、あんかけ焼きそば、餃子、青島ビールだけで終わらせるのはいけないだろうと、帰りの飛行機までの時間に牛タンの店に入った。

 店内はどうも私と同じく、なんとなく牛タンな観光客が多いよいうで、聞き慣れたデンガナマンガナ、ホダラナニカイという声を聞きつつ、「牛タン三枚の定食お願いします」と店員さんにいってメニューを置いた。

「これ食べたら、ズンダシェイクいきましょ」と後ろのテーブル席で大声で騒いでいたグループの内の一人が言った。

 え、ズンダシェイク、なにそれ?

「あれうまいっすよね」ともう一人の男が返して、何が可笑しいのかみんな笑う。ズンダがシェイクするなんて・・・私はズンダシェイクにちょっと心を奪われてしまいました。 

 しかしどうでしょう、目の前に飯、汁、とろろ、牛タンが次々にどかん、どかんと置かれたのをアイズにしてRaw Powerに収められたShake appeal(シェイク・アピール)が凄い音で牛タン屋で鳴り始めたのです。

Raw Power Iggy & The Stooges

 ズンダシェイクをちょっと忘れて私は分厚い牛タンをガツガツ食べる。

(そこで牛の舌と私の舌は電撃的に触れ合いました)

「ごちそうさま」と言って私は会計を済ませて店を出る。ズンダシェイクを求めて。売り場はすぐに見つかった。

「レギュラーっ」と列に並んでいる間に決めたサイズを告げ、290円きっかりレジに置き、ズンダシェイクを受けとるなりすぐにチュッとストローに吸い付く。ちょうどスーパーマリオでマリオがステージ最後のポールに飛びつくような、しかもポールのずっと下の方、100点の位置に飛びつくぐらいの感じです。

夏の思い出

 わぁーズンダシェイクは美味しいなぁ、私は夢中になって吸いながら歩きました。あ、ズンダってサンダーみたいと閃いた時、関西では雨が激しく降りだして飛行機は仙台まですんなりやってこれなくなったのです。出発時間は大幅に遅くなりました。

 飛行機が遅れたせいで予定していたバスに乗ることが出来ず、家に着いたのは真夜中でした。牛タンもズンダもすっかり胃から消えて、でも深夜だから食欲あるような無いような、中途半端な腹具合でありましたので、取り敢えずワインを取り出して仙台で買ったパンを食べました。

 真夜中の一人酒盛りには非日常感がたっぷりあり、家に着いたのにまだ旅が続いてふわふわとして浮かんでいるような気持ちでした。

 翌日は知人達と鶴橋で昼酒、目覚めても旅は終わりません。アルコールとカプサイシンで脳が刺激された我々の前で、トッポギが爆竹のように次々に破裂して甘辛い赤い汁がそこかしこに飛び散るのです。これが血のバレエ、ワイルド番地・鶴橋、サム・ペキンパー!  甘辛い鮮血が飛び交う中で食堂のおっちゃんがレジ横のデカイ受話器にデカイ声で応答していたのも愉快。

 

 いろいろ食べて飲んで気持ちよく酔って電車に乗って家に帰りまして、なんだか小腹が減ったとラーメンを作っていたら、不意にストンと日常に戻って、私の夏休みは終わりました。

 

杜の都 仙台

 

クリタケ

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