マイスター大学堂:ブログ

大阪わかめ


 皆様はいかがお過ごしでしょうか。さて、本日は眼鏡とは無関係なお話です。

 

 先日、知人達と大阪へ飲みに出かけました。適当に行きましょと飲み屋街に入ったら、お店の数が多すぎてどこに入る決めきれませんでした。あれも違うこれも違うと散々歩き回った末に、ままよと入った店の雰囲気の悪さ、これは失敗とビール一杯で退散して、次の店に入りましたがその店も失敗。それを繰り返して最後に何とかやっと腰を落ち着ける事が出来ました。

 良かったと安堵して呑みながら窓の外に目をやると、同僚らしき男に抱えられてヨロヨロ歩いていたサラリーマンが転倒しました。倒れた男は傍らにいた同僚らしき男の手を借りて何とか起き上り、抱き起してくれたその手が離されると、今度はふわふわと漂うワカメごとき動きで奇妙な安定を保ち、再び倒れることはなく一人で立っていました。

 男がワカメ踊りを繰り返す様を私と知人達は眺めていましたが、さすがに単調な仕草を繰り返すだけでは飽き、次第に視線も話題も別の方向へと流れていきまして、お代わりのお酒を頼んで、次の集まりはどこでやろうかと話し合っておりました。

 鶴橋でチヂミとマッコリをやろうと決まって、ふとワカメ踊りの方へと視線をやると、踊る男の横に立って見守っていたはずの同僚の男が居なくないました。彼もさすがに愛想を尽かせて帰ったのだろう思っていたら、よくよく見ると少し離れた柱の陰に立って、ワカメになった同僚を見つめていました。

 ふにゃふにゃーふにゃふにゃーとだらしなく踊る男、それをじっと見つめる男、酒を飲みながらその二人の様をじっと眺める我々。みんなアルコールに溺れて漂うような感じ。あの見つめる男はもしや、アル中気味の同僚を毎夜酔わせ、彼の踊りを楽しんでいるのかもしれないな、だとすると面白い。眼前に展開する奇妙でグダグダの異界がすごく良かった夜でした。

 

 

クリタケ

 

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